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社会学入門2012 第4講 行動と行為(3) [社会学入門]

社会学入門2012 第4講 行動と行為(3)

今回の教材

「未来戦隊タイムレンジャー」(第1,2話)
脚本:小林靖子
監督:諸田敏
2000年2月13日~2001年2月4日

 スーパー戦隊シリーズ25周年記念の作品。20世紀最後のシリーズ作品で、レッドがリーダーにならず女性がリーダーになった作品です。なおスーパー戦隊はテレビ朝日7時30分~枠ですが、この後の8時~枠では長い間造られていなかった仮面ライダーシリーズが、平成仮面ライダーシリーズとして開始され、「仮面ライダークウガ」が放送されていました。

 多くの生物は同じ種であれば同一の刺激に対して同一の反応を示します。人間は他の生物とは異なり、同一の刺激に対して個体ごとに異なった反応を示します。それは個人によって刺激に対する動機付けが異なるからです。それでは具体的な行為を分析する際には行為をどのように分解して考察したらいいのでしょうか。
 実は人間は刺激に対して個体ごとに異なった反応をしますが、行為には共通する要素があります。

【行為モデル】

 行為は次の要素から構成されます。

刺激(変化)
資源の検討
規範(価値)
資源の動員
欲求(動機)
目的
行動(結果)

【刺激から欲求や目的設定へ】

 人間は刺激(変化)が生じたときにその意味を分析(意味づけ)し、自分がやりたいことやらなければならないことなどの「欲求」や「動機」が形成されます。
 そしてその欲求や動機を充足するために何をどうしたらいいのか、という行動の「目的」が設定され、実際の行動へと移行します。

【欲求充足のための資源や価値の検討】

 目的が設定されたとしても即時に行動には結びつきません。目的を達成するため、いくつかの条件の検討が必要になります。条件が満たされなければ目的を修正しなければならなくなります。
 条件は大きく分けて、一つは<資源>であり、もう一つは<規範>(価値)です。

【欲求充足のための資源】

物資源
能力資源
社会的関係資源(社会資本)
文化資源(文化資本)
情報資源

【物資源】

 自然の資源や、道具や機械などの人工物。貨幣や資本なども物資源に含まれます。

Ex.
ドライブするためには車が必要
川、海、プールなどがなければ水泳できない  など

タイムマシンがなければドルネロは20世紀に逃げられない

【能力資源】

 経験、知能、身体能力、読解、技能などの人間の能力全般を指します。

Ex.
雪を見たことがなければ雪が冷たいことを知らない。
アイドルになるには顔かスタイルがいいか、変わった特技がある など

爆弾魔ジェッター(第2話)は爆弾をつくりだす身体的能力をもっている

【社会的関係資源(社会資本)】

 人間関係(コネ)、社会的地位、名声など自分以外の他者の力を利用できる資源。
 この資源は個人が所有するだけではなく、資本として他の人間に継承できます。
→二世政治家、二世芸能人、歌舞伎一家

Ex.
芸能人を誕生日に呼ぶにはコネクションが必要。
政治家になるには広い人脈があったほうが有利。

ドルネロはギエンの知能を利用することができる

【文化資源(文化資本)】

 家族から伝達される文化的財、言語能力、振る舞い、知識など文化にかかわる資源を指します。

Ex.
マルチリンガル
伝統芸能
上流社会の態度
など

家族がいなければ、「家族」という資源から継承する文化資本はない。

【情報資源】

 本・新聞・雑誌などの文字情報、テレビ・映画などの視覚情報、ラジオ・音楽などの聴覚情報、あるいは国旗・国家・勲章などの象徴などの資源。
 現代社会ではパーソナルデータは貴重な情報資源である。誰がどのような社会資本を有しているかという情報は、行為の幅を広げるのに有効。
→就活を考えればよい。

Ex.
相手の趣味趣向がわかっていれば相手に近づきやすい

【資源による目的の限定性】

 行為の実行には資源が必要!
→可能な行為が限定される。

 動員できる資源によって設定できる目的の可能性が限られる。

夢も目的の一つ。資源によって「夢」もかわる。誰もがどんな夢でも想定できるというのは・・・社会学的にはウソ。

【規範の検討】

「規範」とは?
→社会成員の行為を拘束する力

規範によって行為の範囲が限定される。
     ↓
「資源」に限りがないとしても、「規範」によって限定されることがある。

Ex.どんなに憎い相手でも殺してはいけない。どんなに欲しい物があっても他人の物を盗んではいけない。

【規範の種類】

規範は拘束力の強さによって3つに分けられます。

慣習 < 習律(モーレス) < 法

【慣習】

 慣習には伝統、流行、習俗などがあります。 
 慣習は、目的や意図を意識しないで、やることになっているから行う行動を指します。
Ex.
おじぎ、箸を使って食事をする、しきいをまたぐ

【慣律(モーレス)】

慣習のうち、従わないと他人に危害(迷惑)を加えるもの。非公式の制裁が加えられることがあります。=村八分の元になった村法など

→現在は廃れています
→現在は「道徳」として維持されています

Ex.
用水路に有害物を流さない
田んぼの害虫を駆除する

【法】

 成文化され、人々を強く拘束する。従わないと公式の制裁が加えられます。

【規範がなければ】

 もし規範がなければ、資源が動員できる範囲で、個人は欲求のままに行為するようになる可能性があります。つまり犯罪が増加し、社会が崩壊する可能性が高いということです。

 規範によって私たちは安定した社会生活が可能となり、意識しないで決められたパターン化された行為を行うことができます。

【竜也「五人目参上」と言った(行為)理由を考える】

契機(刺激)
1.クロノチェンジャー初回起動のために一時的にタイムレンジャーになったこと
2.未来人が未来に帰れないこと(未来を変えられないため)を知ったこと→竜也がタイムレンジャーになれる可能性が高まった

欲求(動機)
1.今までの自分を変えたいという欲求が高まる
2.タイムレンジャーになれるかも?

【資源の検討】

<物資源>
 自立のために用意したビルがある=基地になる
<能力資源>
 体力も戦闘力もある
<社会資本>
 父親のコネクションが使える
<情報資源>
 20世紀のことを知っている

【価値(規範)】

「次の瞬間を決めるのは自分」
「俺の未来は俺が守る」
「レールから外れるな」という規範に反発する

【目的の設定】

タイムレンジャーになって自分の未来を自分で守る
 ←二番目の契機の前にぼんやりと考えていた目的

【行動(結果)】

 「五人目参上」という言葉によってタイムレンジャーになることを宣言


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社会学入門2012 第3講 行動と行為(2) [社会学入門]

社会学入門2012 第3講 行動と行為(2)

今回の教材

「東京ラブストーリー」(第2話)
脚本:坂元裕二
演出:永山耕三、本間欧彦
1991年フジテレビ系列で放送

フジテレビ月曜9時のドラマ枠が「月9」と呼ばれ、トレンディドラマ枠として確立されることになりました。
→「月曜日の夜、街から女性が消えた」という伝説を生みました。

 これはおおよそ20年前の作品です。ドラマは製作された時代の影響を強く受けて作られています。特にトレンディドラマと呼ばれるジャンルのドラマは当時の製品やファッションが積極的に使われているため、社会学の資料としても重要です。今回は行為という社会学の考え方を説明する教材としてドラマを使っていますが、当時の社会を理解する資料としても使えるということを知っておいてください。

 さて実際の説明を始める前に「昔のドラマを見るときの楽しみ方」について紹介しておきたいと思います。

・トレンディドラマは新製品、最新機器が使われます。
 ex.第1話に登場する携帯電話(and コードレス電話)は巨大で、自動車電話は弁当箱と呼ばれていました。

・現在では考えにくい「しぐさ」が見られます。
 リカと完治の電話をかけるしぐさ
 →ダイヤル式電話とプッシュ式電話

・昔の街の風景が見られます。
 →東京は数年で激変する

・制作者の感じる時代性を知る
 →ドラマ制作者は時代の最先端にいると思い込んでいます
 →このドラマではバブル経済の末期の時代性が反映しています

・当時のファッションを知ることができます

・時代性があらわれます。
 アイコンのないPCの画面、Floppyのやりとり、社内で喫煙

【今回のテーマとして取り上げるシーン】

1.Op完治「何をどうやったらあんなところに靴が・・・」

2.Opリカ「さっき逃げようとした!」「私が声をかけなかったら知らんぷりしようとしたでしょ」

3.Op完治は昨晩リカがキスをした理由を聞く

4.完治の部屋、完治が出ていった後、リカは三上に話しかけている。リカは何をしているのか?

5.完治「じゃあ何であんなことを・・」三上がサトミにキスをしたことについてサトミと三上二人に同じことを聞く

ここで取り上げた5つのシーンに共通するのは、

  人間は自分の行動や事象を「原因-結果」の図式で捉える

ということです。

【行動を原因-結果で捉える典型的なシーン】

 それでは人間の行動を原因-結果で捉える典型的なシーンはどのシーンでしょう。

1.
 冒頭の木の上に靴があるシーンです。このシーンでは完治は赤名リカに「何をどうやったらあんなところに靴が・・・」と質問しています。これは「木の上に靴がある」という結果の原因を探る質問です。この原因はリカが天気を予想するために「靴を蹴り上げた」ということなのですが、このように人間の行動の結果には必ず原因があります。
 ちなみにこのシーンでは完治が「なんでそんなに大きな荷物を持っている」という質問をしていますが、これは後のシーンに対する布石になっています。つまりこの質問自体がリカの行動の原因が探ることになっているのです。

2.
 別のシーンで完治はリカを避けようとしています。その行動に対してリカは「あ~あ、会いたくなかった」と言って完治が逃げようとした原因を推測している。ここでも完治の行動を原因-結果の枠組みで捉えようとしています。そしてこの発言に対して完治は「勝手に読むなよ」と言っています。これは結果としての行動の目的、つまり「動機」です。
3.
 完治はリカが自分にキスをした理由を考えています。完治の彼女らしい女性が他の男性とキスをした場面を見てしょげているだろうと「同情」でキスをしたのか、それとも「恋愛」だったのか。

4.
 完治が出て行った後、リカは三上に「三上の本音」を語っています。この本音が三上の行動の動機です。
 人間は必ず何かを考えて行動します。人間の行動の大部分には「動機」や「原因」があります。しかしそれに自分自身が気がついていないことがあるのです。

5.
 最後にあげたシーンです。完治が三上に「じゃ、なんであんなこと」と言ったシーン。完治は三上とサトミが合意の上でキスをしていたと考えていました。人間は表面的に観察できる行動からしか動機を探ることはできません。人間が何を考えているのか、内面を直接知ることは不可能です。そして三上とサトミのキスシーンをみて、その表面的な行動から(つまりサトミが嫌がっているという行動を見ていないから)、二人が合意の上でキスをしていると考えたのです。だから完治は二人に「じゃ、なんであんなことを」と質問したのです。

【社会学における行動とは?】

行動(behavior)とは:
体を動かす、話をする、ものを食べるなどの生物の活動や行いすべて。不随意な反応、いわゆる反射的な行いも含まれる。

 これは他人が観察できる振る舞いです。

【生物行動のパターン】

一般に同種の生物の基本的行動パターンはすべて同じです。それでは生物の行動パターンとは、

  刺激(原因)→反応(結果)

になります。

光(原因)→光源に向かって走る(結果)
エサ(原因)→食べる(結果)

のように生物は刺激が与えられると必ず反応します。

【人間の行動?】

 それでは人間の行動パターンはどうでしょう? 同種の生物は刺激が同じであればいつも同じ反応を示します。しかし人間の場合、刺激に対する反応が全員同じということはありません。また結果としての行動が同じであっても刺激がいつも同じだとはかぎりません。それでは人間はどうして生物と異なる行動パターンをとるのでしょう。

 人間の場合、刺激に対する「意味づけ」や「動機付け」が異なるため、反応としての行動に相違があります。

【2種類の行動】

 このように行動パターンには相違があります。そして大きく2つに分けることができます。

1つは「意識しないで行われる行動」

もう1つは「意識して行われる行動」

です。

 目的や意図などがある行動(=意識して行われる行動)を、社会学では「行為」(act)と呼びます。

*個人が目的や意図を意識しない行為もあります。
*表面的に観察できない行為もあります。

 行為の大部分は行動に含まれますが、一部(表面にあらわれない部分)行動に含まれない行為もあるということです。

【リカや完治の行為】

 リカや完治の行為の意味は何だろうか。
 人によって「動機」は異なります。相手の行動の意味を理解するためには、愛の動機を推測しなければなりません。あるいは相手の行動の「意図」を知るために相手の真意や本音を質問して聞くことになります。
 こうして相手の動機(意図や目的)を知ることによってどんなメリットがあるのでしょう。

→相手を理解し、コミュニケーションをはかることが可能になります。


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社会学入門2012 第2講 行動と行為(1) [社会学入門]

社会学入門2012 第2講 行動と行為(1)

今回の教材

「電車男」(第1話)
脚本:武藤将吾
プロデューサー:若松央樹、川西琢
演出:武内英樹、西浦正記

2005年フジテレビ系列で放送

 私たちは日常生活の中でとくに「社会」というものを意識することはありません。社会というものが存在するかどうかさえ意識することはないでしょう。しかし事件や事故、異変といった非日常的な状況が生じた時、私たちは「社会」が存在していたことを強く意識するようになります。

 今回ドラマの舞台は電車です。そして電車の車内は公共空間と呼ばれています。公共空間とは、特定の人間に限定されないで、誰もが自由に出入りできる場所のことです。つまり公共空間には互いに見知らぬ人(stranger)が一緒にいます。電車は切符さえ購入すれば自由に乗車できる可能性のある空間なので、公共空間です。

 電車の中には一般的に、本や雑誌、新聞などを読む人、携帯電話を操作している人、ゲームをしている人、音楽を聴いている人、寝ている人、ぼんやり車外をみている人などがいます。家族や友人、恋人などと一緒にいないかぎり、人間同士の関わりあいはほとんど存在しません。つまりお互いに無視し合って、人は孤立した状態にあります。

しかし・・・。ある出来事をきっかけにしてその状態が崩れます。

 日本民営鉄道協会HPには10年以上前から電車内での迷惑行為ランキングという情報を提供しています。ここでいう「迷惑行為」とは何でしょう。
 迷惑行為とは「一般に多くの人が不適切だと感じる行為」のことです。一般に迷惑行為にリストされる項目には犯罪行為(痴漢やすりなど)は含まれていません。むしろそうした法律のような成文化された項目ではなく、常識だと思われている事柄に反する行為のことです。そしてランキングにあがった項目の大部分は本来は関わり合うことのない他人同士が何らかの形で互いに関わりが生じる可能性のある行為です。

 公共空間において一般に不適切だと考えられる迷惑行為が生じたとき、人びとの前に普段は意識しない「社会」が立ち現れます。今回のドラマでは電車内での迷惑行為が、それまでは個々人が孤立状態にあった電車内に社会を出現させました。

 さて『電車男』での迷惑行為について考えてみましょう。ここは2007年と2008年に迷惑行為ランキング2位、2009年には9位であった「よっぱらい」の行為が迷惑行為になります。泥酔した男性が他の乗客に絡んでいきます。普段は知人や友人、家族でなければ乗客同士が絡むことはありません。酔っぱらいが他の乗客に絡むという事件が発生することによって酔っぱらいと乗客の間だけでなく、乗客と乗客同士にも関係性が生じます。普段はチラ見するだけの関係で、具体的に絡むことはないのですが、事件が発生することによって他の乗客を助けるという行為が行われました。

 『電車男』に登場する他の非日常的な出来事(事件)としては次のような出来事があります。

電車男と沢崎果歩(サトエリ)との出会い

電車男が電車に乗車する前の階段
   ↓
階段で沢崎にぶつかる(事件)
   ↓
荷物の中身がばらまかれる
   ↓
電車男が沢崎の化粧ブラシを返す
   ↓
ブラシはゴミ箱へ

【ドラマに登場した社会とは?】

 人間同士の間に「相互行為」(interaction)が生じるとき、そこに「社会」が存在すると考えられる。酔っぱらいと乗客、電車男と沢崎、電車男とエルメス、乗客と乗客など。他人同士で何も相互行為が生じていない場合には、そこに社会はありません。
 たとえば血液型A型の人びとの集まりは「集合」ではあっても「社会」ではありません。しかし血液型A型協会が設立して会員活動が始められればそれは単なる集合ではなく、社会になります。

【社会が何もないように見える電車内に社会はあるのか?】

 電車男が車内ではじめてエルメスを見たとき、彼は彼女をじ~っと見ました。その視線に気づいたエルメスが電車男を見返したとき、電車男は視線をそらしました。

 酔っぱらいがいろいろな乗客に絡み出したとき、まだ絡まれていない乗客は酔っぱらいへの視線をそらしています。

 これらの行為の意味は何でしょう。

【公共空間でのルール】

 公共空間には次のようなルールがあります。

 「見知らぬ人には声をかけない、じっと見つめない、干渉しないであたかもそこに存在しないかのように行動する」

これをE.ゴフマンは「儀礼的無関心」と呼びました。これは相手の存在の尊厳を守る行為であり、無関心を装う行動(演技)です。相手をモノだと認識して無関心になることではありません。
 心理学的には相手のパーソナル・スペースを尊重する行動になります。

 公共空間では相手に関心を持った行動(ガン見する、接触する、声をかける、撮影するなど)は「不適切な」行動だと考えられます。逆に相手の存在を無視した、つまり相手がそこに本当に存在していないと認識している行動も「不適切な」行動だと考えられるのです。
 だから次のような行動は「迷惑行為」なのです。

電車内での化粧
ところかまわず座り込む
周りを無視して騒ぐ
周りを配慮しないでプレイヤーの音量を上げる


社会=人間同士の相互行為

次回は「行為」について考えてみたいと思います。


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社会学入門2012 第1講 導入 [社会学入門]

社会学入門2012 第1講 イントロダクション、授業内容の説明、社会学とは?

 講義の最初に『授業概要(シラバス)』に書かれた内容を確認したいと思います。

<以下、『授業概要』からの抜粋』>

【教育目標】

社会学の基礎的な理論や方法論を修得する内容  社会学は人間関係や集団、社会現象、社会の仕組みなどを対象とする学問です。こうした社会学の対象は、私たちの日常生活に密接に関係していて、私たちは特にその内容を吟味したり、説明したりすることなく、「当然のこと」としてあまり深く考えません。社会学では、「当然のこと」、「常識」あるいは「自明なこと」として深く考えないことを対象にして、その内容の理解を深めます。本講義ではそうした分析の成果としての理論や方法論を紹介し、それを実際に使って社会現象を分析していただきます。

【授業の進め方】

具体的な対象がなければ、社会学の理論や方法論を理解することはできません。この講義ではテレビドラマやアニメなどをとりあげ、いくつかの場面をもとに社会学の理論や考え方を紹介します(社会情勢によりトピックが変わる場合があります)。

 1講.   導入
 2~5講. 行動と行為
 6~10講. 地位と役割、演技
 11~15講. その他社会学の理論

このように講義は大きく3つのセクションにわけ、それぞれのセクション終了時にリポートを提出していただきます。
 過去の講義ノートをすべて公開しています。確認できる人は履修前に確認しておいてください。もちろん内容は異なりますが、いくつか重複する場合もあります。

 http://www.bunkei.net

からリンクしています。

【文献】

教科書はありません。必要な文献については授業中に適宜紹介します。

【成績評価】

課題リポート(3回実施)。1回でもリポートを提出しなければ「失格」(F)になります。また内容が悪ければ、3回すべて提出しても「不合格」(D)になります。リポート提出はCoursePowerおよび電子メールを利用します。

【お知らせ】

やる気と熱意。積極的な参加意欲を求めます。私語=犯罪として扱います。私語をする学生は教室から退室させる、あるいは履修をやめていただきます。本講義では毎年20%強の人が「失格」になります。また10%近くの人は「D」評価になっています。たんに単位を取得するだけを目的にして履修する場合は、別の科目を選択すべきです。私の講義を真剣に聴き社会学について理解する気がなければ単位取得は困難だと覚悟して受講してください。

<以上、『授業概要』からの抜粋>

 授業中の私語の問題について説明します。大学(専門学校や高等学校も基本的に同じ)は、学生から高い授業料を徴収し、授業を販売しています。つまり学生の皆さんは授業という商品を購入しているのです。そして最終的には学士という身分を購入することになります。授業中に「私語」をするということは、他人が購入した商品を壊したり、盗んだりすることと同じです。端的にいえば、授業中に私語をして授業の進行を妨害することは、「犯罪」と同じということになります。私たち教員はお客さんに確実に商品を届ける義務があります。ということは、授業中に犯罪が行われていることを黙ってみているということは許されません。もしも私語という犯罪を見過ごせば、教員は義務不履行になってしまいます。小学校や中学校という義務教育の中では、私語をしている生徒を教室外に出すと、「教育を受ける権利を侵害した」と言われる可能性がありますが、大学では、私語をしている学生を放置している方がまずいのです。従って、大学での授業では私語をしている学生を教室外に出し、授業という商品を購入者に確実に届けられるようにしなければなりません。
 本講義では、私語をしたい学生は最初から教室で授業を受けることを拒否します。私語をしないときだけ授業に出席してください。その上で、3分の2以上の出席をして、商品を受け取ってくださるようにお願いいたします。もしも授業中に私語をしている学生がいたら、私は退出するように指示します。あまりにもひどい状況が続けば、私は授業の販売自体を拒否したいと思います。
 もしもこの条件(契約)に納得できない場合には、履修を取り消してください。この科目は「選択科目」なので、単位を取得しなくても卒業することは可能です。

 本講義では「ドラマ」、「小説」、「マンガ」、「アニメ」などを題材にして勉強していきます。シラバスで説明したように、これらの題材は私たちの行動、私たちの社会を映し出す鏡です。だからこれらの題材を研究するということは私たち自身が気づかない私たち自身のことを研究することになります。とはいえそれがどういうことなのか、実際に説明しないとよくわかりません。
 ということでこれらを題材としてどのようなことがわかるのか、最初に説明してみたいと思います。
今回は皆さんに身近なヒットソングを対象にして考えてみたいと思います。ヒットソングを社会学の視点から分析すると何がわかるのでしょう?



 第1回目の講義の内容ですから、どのような分析をしたのかは、この講義ノートには公開しません。1回目の講義から欠席するなんて普通はありえませんから。もし万一、そういうありえない学生がいたら、というか何らかの理由で欠席してしまった人は、友だちに聞いてください。


長い間

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  • アーティスト: Kiroro,玉城千春,重実徹
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2002/02/21
  • メディア: CD



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社会学入門2011 第13講 リポート [社会学入門]

社会学入門2011 第13講 第3回リポート


 それでは第3回目のリポートの案内を行う。

 課題作品

「オレンジデイズ」(第1話)
 
放送期間:2004年4月11日~2004年6月20日(全11話)

キャスト
結城櫂  : 妻夫木聡
萩尾沙絵 : 柴咲コウ
相田翔平 : 成宮寛貴
小沢茜  : 白石美帆
矢嶋啓太 : 瑛太

スタッフ
プロデュース : 植田博樹
脚本     : 北川悦吏子
演出     : 生野慈朗、土井裕泰、今井夏木
音楽     : 佐藤直紀

リポート課題:

「沙絵に対する櫂と啓太の対応」

沙絵に対して櫂と啓太がどのように対応したのか、特にどのように行動が変化したのかを記述する。そして二人の対応がなぜ変化したのか、その理由を社会学の理論を使って説明する。

<リポートの注意事項>

この課題は感想文でも作文でもない。小論文として書きなさい。

提出方法は電子メールあるいはMICCS

質問と提出先のアドレスが異なっているので注意すること。

いままでのリポートで手を抜いた人、思ったように書けなかった人は、挽回するように。

締め切りまで時間があると思うとあっという間に期限になる。計画的に日程を調整するように。

提出期限:8月1日17:00まで

提出期限に遅れた場合には、提出されなかったものとする。いかなる理由も受け付けない。
なお、リポートが提出されなかった場合には、「F」(不可)とする。


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社会学入門2011 第12講 状況の定義の発展2 [社会学入門]

社会学入門2011 第12講 状況の定義の発展

<状況の定義>

状況の定義は一般には実際に生じている現実にそくして行われる。しかしときには自分が希望する状況を期待して定義する。

→定義した内容が現実になることがある。


<今回の教材>
「ハガネの女」(2話)
脚本:大石哲也
演出:唐木希浩、常廣丈太(テレビ朝日)
プロデュース:中込卓也・飯田爽(テレビ朝日)、
       下山潤(トータルメディアコミュニケーション
2010年5月21日~7月2日 金曜23:15-24:15

<PTAの会長は?>
PTAの会長は「土地の有力者」という描き方は?
→ステレオタイプ

「35歳で結婚もできないなんて、女としてなんかあるんじゃないですか」
→ステレオタイプ

<定義した状況を外にだす?>
ステレオタイプや思い込みの多くは、個人のレベルで、個人の判断として維持されることが多い。そして状況の定義も、個人の判断として用いるだけで、外に出して表現されることは少ない。

自分が定義した内容を言葉で表現したらどうなるのか?

<表現された状況の定義>
レモンの母親の言葉:
「レモンは人の痛みのわかる優しい子になってほしい」
「聞き分けのいい、純粋な子」

先崎の言葉:
「担任に悪者扱いされたら、悪い子になっちゃうだろう」

ハガネと呼ばれる理由

<レッテル(ラベル)をはる>
小学校の担任が、ちょっとしたいたずらをした子どもを「悪い子」だとしかった。;レッテルを貼る

教師も生徒も「大きな問題になるほどの悪いことをした」という意識はない。
しかしまわりの人間は教師の言葉を信じてその生徒を「悪い子」として扱うようになる。;役割期待
本人は自分の意図とは無関係に、まわりの反応(役割期待)に対応して本当に「悪い子」として行動し始め(役割取得)、ついに本当に犯罪を犯した。

<ラベリング理論>
ラベリング理論は犯罪を代表とする社会規範から逸脱する行動を分析するために考え出された理論。
それまでの逸脱行動論では人間が逸脱行動するのは、本人の人格や本人の環境が主要な原因だと考えられた。犯罪者気質、貧困、離婚、劣悪な家庭環境など。
ラベリング理論では、逸脱者というラベルを貼られることによって、逸脱者として差異化されて扱われたり、ラベルを貼った人や周囲の反応によって逸脱行動が強化されることが明らかになった。

<悪者扱い>
権威のある人、権力のある人によって行われたラベリングの効果は高い。
学校の教師は教室では権威を持つ地位にいる。その役割として権力の行使がある。教室の中で教師が発する言葉には権力が含まれる。
生徒同士でラベルをはりあうよりも、教師が生徒にラベルを貼る方がはるかに効果がある。

数年前の福岡の小学校で生じたいじめ事件の発端は教師によるラベリングだった。

<ハガネの女>
先崎によれば、芳賀稲子が「ハガネ」と呼ばれるようになったのは、剣道の試合の後、と説明された。しかしその前に「ハガネ」と呼ばれていた可能性は否定できない。
芳賀稲子は「ハガネ」と呼ばれることによって、それにふさわしい行動をするようになったか、少なくてもハガネの女としての行動を洗練させた。

ハガネにとってはラベリングが人生においてプラスに働いた。
→教師の期待によって生徒の成績が向上することを教育心理学では「ピグマリオン効果」と呼ぶ。

<レモンはいい子?>
「優しい子」になってほしいという母親の期待。
「町の有力者の娘」というラベル。
「プリンセス」というあだな。

レモンはこうしたラベルにふさわしい態度や行動を行うように演技する。こうした演技を一部の生徒は「ぶりっこ」だとして拒否反応を示す。
レモン自身は・・・ラベルと自己分析とのギャップに強いストレスを感じている。→フラストレーションに発展。

<ラベリングの効果>
ラベリングによっていったん定着したイメージはなかなか払拭できない。
→昔の友人を思い出すきっかけはたいていがラベリングされたイメージ。

マイナスイメージになるラベル、自分がいやなラベルはできるだけ早いうちに消しておかなければ定着してしまう。
→削除するか、上書きする

<予言の自己成就>
ラベリングでは個人に貼られたラベル通りの役割を取得する、という理論であった。これは個人の役割にかかわること。しかし事柄に関しても同じことが生じる。

ラベリングと同様に発言された言葉通りになってしまうこと=予言の自己成就
→銀行の倒産、恋愛のうわさ
発言されてしまったためにその内容とは反対のことが生じる=予言の自己破壊
→マルクスによる資本主義崩壊の予言

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社会学入門2011 第11講 状況の定義の発展1 [社会学入門]

社会学入門2011 第11講 状況の定義の発展

状況の定義(確認)
「人が自分の置かれた状況を認識し、その意味を解釈すること」

状況の定義は、期待された役割を推測し、適切な役割を演技するために必要な条件。
→この場合、状況の定義は「一般化された他者」の視点から行われる。そうでなければ適切な役割を取得できない。

状況の定義は社会化の中で習得され、同じ社会に所属するメンバーあるいは文化を共有するメンバーが同じ状況の定義を行う場合がある。(第7講の内容)
他者の状況を定義
役割期待を推測したり、役割取得を行う場合には、「自分の置かれた状況」を定義する。しかし定義の対象は自分だけではない。

他者の状況の定義は、相手の地位、場所、時間、一緒にいる人などをもとに、一般化された他者の視点から行われる。この場合、対象となる他者と自分とはふつうは、「同じ」一般化された他者の視点である。

今回の教材
「ハガネの女」(第1話)来週は第2話
脚本:大石哲也
演出:唐木希浩、常廣丈太(テレビ朝日)
プロデュース:中込卓也・飯田爽(テレビ朝日)、下山潤(トータルメディアコミュニケーション
2010年5月21日~7月2日 金曜23:15-24:15

ハガネと会田優介との出会い
優介はスーパーのパン屋でパンに指を突っ込んでいる。とめたハガネに「くそババァ~」と言う。

【ハガネの状況の定義】
小学生の男の子が販売中のパン(=商品)にいたずらをしている(故意に破壊している)。

→一般的には器物損壊罪にあたる。子どもとはいえ道徳的に赦されない行為。
→行為をやめさせ、悪い行為をしているということを自覚させなければならない(もと教師の判断)。

優介の母親の対応
マイクで呼ばれた母親は、まわりの人に向かって言う。

「警察を呼んでください。この人が子どもに暴力をふるうんです」

【母親の状況の定義】
自分の息子は決して悪いことはしない。だから手をつかんでいる女が子どもに悪さをしているに違いない。
→母親は子どもに全幅の信頼を置いている。

警備室にて
ビデオでチェックした後も、母親の態度のかたくなさは変わらない。
ハガネは子どもに(おそらく母親にも)謝罪を求めている。
→母親は決して謝らず、弁償だけしようとする。

「この子は意味もなくそんなことをする子じゃありません。きっとそれなりの理由があるんです。」(母親のセリフ)

状況の定義→思い込み
自分の子どもを客観的に分析できず、「自分の子に限って悪いことはしない」と思い込んでいる母親と、母親をだまし続ける悪い子どもという印象が構築される。

印象を強化する場面に直面して「固定化された思い込み」が構築される。

印象を強化する出来事
みんなに馬鹿にされいじめられる広。その広に優介が絡む。
優介の家の家庭訪問。母親は優介だけが広を助けていると主張(学年主任は「優介は広の命綱」と言っている)。家庭訪問の帰りに、優介は広につばをかけて「死んでください」と言っている。
トイレで男子に広がいじめられている。優介は突き飛ばして「やり返してみろよ。ばーか」。
職員室のハガネの机の引き出しからウサギの死体が出てくる。教室の机の引き出しをチェックした後、優介と視線があう。
服装チェックの後、トイレ掃除になった班の子どもが広をいじめる。優介が怒った顔でハガネをみる。
優介と広が3年生の女の子に怪我をさせたと連絡。優介は関与をかたくなに否定した。
なぜ先生は優介を悪者だと決めつけるんですか?
いったん状況が定義されると人間はその枠組みで人間の行動を観察するようになる。そしてその枠組みが強化されるような出来事に遭遇すると、それ以外の枠組みでは人を判断できないようになる。これを「思い込み」という。

→ハガネは優介=悪いいじめっ子という枠組みから抜け出せない=決めつけ

思い込みは一般に「個人」のレベルで生じる。


ステレオタイプ
複数の人間が同じ思い込みをするとき、その思い込みの枠組みを「ステレオタイプ」という。
→多くの人が共通して持っている決まり切ったものの見方。

このドラマはステレオタイプな枠組みを使っているため、多くの視聴者がハガネの思い込みを理解できる。
→パンに指を突っ込む子ども=悪い子ども
→友だちをいじめる行為=悪い行為
→「うちの子に限って」という母親

ステレオタイプから抜け出す?
人間は原則として「思い込み」をするということを自覚する。
真実を知らなければステレオタイプから抜け出せない。
真実を知っても、真実を真実だと信じられないことがある。
自分が信頼している(信じている)人間から真実を知らされると真実だと信じる可能性が高い。

思い込み=偏見 とはかぎらない。
偏見もステレオタイプのひとつ。


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社会学入門2011 第10講 交換理論 [社会学入門]

社会学入門2011 第10講 交換理論

 1987年国鉄(国営鉄道)が分割民営化された。民営化されたJR東海が最初に制作したのが「シンデレラ・エクスプレス」シリーズである。1987年放映されたCM「シンデレラ・エクスプレス」はユーミンのアルバム『DA・DI・DA』に収録された「シンデレラ・エクスプレス」という曲をモチーフにしている。
 当時、東京発新大阪行きの最終新幹線は、東京21時発新大阪0時着であり、0時着ということをもとにして乗客をシンデレラに見立てて制作された。そしてこのCMが話題になるのと同時に実際に東京発の新幹線で別れを惜しむ恋人たちの姿が見られることを報道されるようになり、さらに話題になる。1992年、ダイヤ変更によりふたたび「シンデレラ・エクスプレス」をモチーフにしたCMが制作され、さらにその間に「クリスマス・エクスプレス」シリーズのCMも話題を呼び、遠距離恋愛が注目を集めた。

 今回の教材はそうした遠距離恋愛が話題になっていた1991年に放映されたドラマを対象とする。

「逢いたい時にあなたはいない」(第1話)22.5% 平均視聴率22.0%
脚本:伴一彦
演出:本間欧彦・木村達昭・石坂理江子
プロデュース:亀山千広
1991年10月7日~12月16日放映 月9ドラマ


 さて今回のテーマは「遠距離恋愛は続くのか?」ということである。遠距離恋愛についてはさまざまな専門家がHPで議論している。そのなかでポイントだと思われる点は以下の2点。

1.距離感の問題

 物理的距離、時間的距離、心理的距離などいろいろな距離がある。遠距離恋愛という言葉通り、この距離感が遠いのが遠距離恋愛になる。
 ドラマのなかでは、はじめての長距離電話で「声はこんなに近いのに・・・」という心の声がナレーションされている。

2.接触頻度の問題

 人間関係の維持には接触頻度が大きな要因になっている。遠距離恋愛ではこの接触頻度が減少するが、これがどのように影響するのか。

 こうした問題について、まずはよく利用される心理学の理論からの説明を紹介してみたい。

<ボッサードの法則>

 遠距離恋愛でよく紹介されるのはボッサードの法則である。

 アメリカの心理学者ボッサードが発見した法則。
 ボッサードが婚約中の5000組を調査したところ(1932年)、婚姻届を婚姻届を出した時点で、12%カップルがすでに同棲していたことが判明。さらに、1/3のカップルが5ブロック以内の範囲に居住し、ほとんどのカップルが電車で数駅の範囲内に住んでいたことがわかった

 この調査結果から次のような法則が発見される。

「カップルを隔てる距離と、結婚までに至る人数は反比例する」(2人の距離が離れているほど結婚にたどり着く確率は低い)

 この結果を一歩進めて、

「男女間の物理的な距離が近いほど心理的な距離は狭まる」

という理論を導きだした。

 ボッサードの法則を遠距離恋愛に照らし合わせると、遠距離恋愛は男女間の心理的な距離をひろげることがわかる。

→二人を結びつける心理的な力が弱くなる。
→別れる力の方が強くなる。


<単純接触効果>

 アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが論文にまとめた理論(1968年)。

 よく会う人や繰り返し聴く音楽を好きになっていくように、何度も見たり聞いたりすると次第によい感情が起こるようになる。これは見たり聞いたりすることでつくられる潜在意識が印象評価に影響することによる。

 このように、第一印象が悪くない場合、繰り返し接触することによって好意度や印象が高まる。これを単純接触効果という。
 ドラマのテーマ曲の人気が高まるのも広告に効果があるのも、この「単純接触効果」によるものだと考えられる。


<熟知性の原則>

 じっくりと話を聞く、一緒の出かけるなど相手のことを深く知るようになるにつれて、相手を好きになるという原則。

→単純接触効果を人に限定して適用した場合の原則

人がものや他人に対して好意をもつためには接触頻度が重要。


<単純接触効果>と<熟知性の原則>から接触頻度(回数)と人間の好意度に正の相関があることがわかる。

→会う回数の多い人を好きになる
→会う回数が少なくなると好意度が低くなる。


 心理学の地検から距離と接触頻度について次のような原則が導き出される。

 恋人同士が離れて暮らすようになり(遠距離)、会う機会が少なくなると(接触頻度の減少)、お互いの好意度が低くなり、別れへと至る。

→遠距離恋愛ではこの原則が実現する可能性(確率)がきわめて高くなる。

 それでは遠距離恋愛について社会学ではどのように考えることができるか?


 遠距離恋愛を社会学的に分析するとすれば、「交換理論」によって分析することができる。
 社会で行われる「交換」には

→経済的交換
→社会的交換

という大きく2種類がある。

<経済的交換>
商品の購入(貨幣→物品)
労働(労働→賃金)

<社会的交換>
会話、挨拶
祝儀と祝儀返し
感情の交換(愛など)

<社会的交換成立の条件>

1.他者と交換しなければ目的が達成できない場合

→他者の所有物を入手する場合
→他者の愛を勝ち取るために贈与や奉仕をする

2.目的達成を促進する手段として有効な場合

→キビ団子と交換で家来を得て、鬼退治する
→出世のために上司に贈り物をする

<経済的交換成立の条件>

1.等価性

:商品価値は変化するが、「等価」と考えられる(世間が妥当だと捉える)価値と交換すること

2.双務性

:相互に債務が課されていること(契約的債務)

等価性と双務性を合わせて「互酬性」と呼ぶ。

<社会的交換における互酬性>

 経済的な互酬性を社会的交換にあてはめることはできるだろうか。

 社会的交換では等価性も双務性も確保されない場合がある。
 社会的交換で行われる交換の価値は貨幣のような、世間の誰もが妥当だと捉える基準がない。
 社会的交換における責務は「契約的責務」ではなく、「道徳的責務」になる。つまり契約のような客観的基準ではなく、道徳という個人の価値観である。


 さて社会的交換成立によって何が生じるのか。社会的交換が成立することによって、「人間関係が大きく変化する」。しかしながらそこには互酬性の確保が必要になる。

 もし互酬性が確保できない人間関係の場合、非対称の人間関係になある。たとえば、地位の差、一方的な贈与の関係、偏った人間関係などである。


 対等な人間関係を成立し、それを維持するためには互酬性を確保した交換が必要である。つまり交換は人間関係維持の条件なのかもしれない。


 それでは遠距離恋愛を交換理論で考えてみたい。遠距離恋愛の多くは物理的に距離がある。したがって遠距離恋愛中に接触するためには(会うためには)、お互いにあるいは一方が大きなコストを支払わなければならない。つまり

恋愛関係の維持=接触のためのコスト

という関係が成り立つ。このコストを誰が支払うのか、遠距離恋愛では「互酬性」の確保がポイントになる。

<コストに合う価値があるのか>

 何度も高いコストを払って相手に会うことに見合う「何らかの報酬」(等価な報酬)があれば、遠距離恋愛であっても人間関係が維持される。ただしそれには互酬性の確保が前提となる。もし一方が全面的にコストを払うという形態では報酬に等価性が維持されない可能性がある。

<会わないこともコスト?>

 遠距離恋愛では「相手に会わない」(接触しない)ということもコストになる。長い間、会わないとコストが蓄積される。

→連絡し合うということが「報酬」になる。
→電話、手紙でのやりとりも「交換された報酬」になる。
→ただし以前は電話も手紙もコストがかかった。
 (現在は無料の通信手段がある)

☆こまめに連絡を取ることで、会わないコストに対する等価な報酬を獲得できる。

 遠距離恋愛において、「互酬性の確保」を前提とした「交換」関係が成立しないとき、恋愛関係は破綻する。

 ドラマの主人公が札幌空港で感じた「せつなさ」はなんだろう?


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社会学入門2011 第9講 地位と役割(5) [社会学入門]

社会学入門2011 第9講 地位と役割(5)


 それでは第2回目のリポートの案内を行う。

 課題作品

「流星の絆」(第1話)
演出:金子文紀、石井康晴
脚本:宮藤官九郎
プロデュース :那須田淳、磯山晶
出演:二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香 他
2008年10月17日から2008年12月19日
TBS系金曜ドラマ(22:00-22:54)


リポート課題:

「有明泰輔(錦戸亮)の地位と役割について論述する」

①ドラマ(第1話)での地位とその役割について、場面の説明を含め、役割の内容を具体的に説明すること。

②ドラマで用いられた3つ以上の地位について論述すること。
☆地位に対する役割について、なぜそのような役割になっているのか、その理由や原因についても触れた方がよい。

<リポートの注意事項>

この課題は感想文でも作文でもない。小論文として書きなさい。

提出方法は電子メールあるいはMICCS

質問と提出先のアドレスが異なっているので注意すること。

☆今回は期限まで1週間しかない。前回のようにのんきに構えていたら時間が足りなくなる。できるだけ早いうちに手をつけること。

第1回目のリポートで手を抜いた人、思ったように書けなかった人は、挽回するように。

原作の小説は役にはたつが、ドラマとは登場人物が異なっていたり、設定が異なっている部分がある。今回はあくまでもドラマを対象とする。


提出期限:6月23日授業終了時間まで

提出期限に遅れた場合には、提出されなかったものとする。いかなる理由も受け付けない。
なお、リポートが提出されなかった場合には、「F」(不可)とする。


流星の絆 DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
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流星の絆 (講談社文庫)

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  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/04/15
  • メディア: 文庫



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社会学入門2011 第8講 地位と役割(4) [社会学入門]

社会学入門2011 第8講 地位と役割(4)

今回の教材

「スジナシ」(DVD其ノ壱)
出演:笑福亭鶴瓶、?
製作著作:CBC(中部日本放送):TBS系列

1998年から放送された名古屋地方限定の深夜番組
笑福亭鶴瓶とゲストが、台本(=スジ)ナシ・打合せナシ・NGナシのぶっつけ本番で「即興ドラマ」を演じるアドリブバラエティー。?事前に決まっているのは、スタジオに組まれる1つの「セット」だけ。鶴瓶とゲストが、このセットで懸命に演じ合い、一発勝負の即興でドラマを創り上げます。もちろん、カメラも音声も・・・スタッフも同じ。技量勝負!互いの丁々発止、緊張感を求めて創る「その場のドラマ」。誰にも・・出演者にもスタッフにも観客にも、そして視聴者にも・・絶対に先がよめないハラハラドキドキ感!突然ポロリと表出する有名俳優の人間性!爆笑と仰天の新趣向バラエティー。


 俳優が演技をする上で注意するポイントは何か? 劇中で与えられた地位に「ふさわしい役割」を演じるということである。ふさわしい役を演じることができなければ、観客にリアリティを与えることができない。
 それでは俳優が考える「地位にふさわしい役割」とは何か?

 俳優が考える「地位にふさわしい役割とは」、視聴者(観客)の頭の中にある役割イメージに合致する役割。前回のドラマはタイトル「Mother」どおり、多くの母親が登場した。母についての視聴者のイメージは多種多様である。1つとは限らない。もちろん視聴者のもつ母親のイメージは実際の自分の母親像を一致するというわけではないだろう。一致する人もいれば一致しない人もいる。そして一致する人でも母親像が1つとは限らない。
 俳優の演じる母親が、こうした視聴者の多種多様な母親イメージのどれかに合致し「あ~~、いるいる」と思わせることができれば、演技はいちおう成功したといえる。もちろんその母親の役割は物語の流れにも適切でなければならない。

 ここで俳優が考える視聴者とはどんな存在なのか? ここで俳優が想定しているのは誰か「特定の個人」ではなく、ばくぜんと「みんな」と読んでいるような人のことを指す。こういう人々のことを社会学では「一般化された他者」と呼ぶ。
 俳優は特定の個人ではなく、一般化された他者を想定して演技している。けっして自分の母親が実際に存在する母親だけをイメージしているわけではない。

<俳優の役作り>

 俳優は台本に書かれた地位に適切な役柄をつくる。それでは俳優はどのような人を対象にして役を作っていくのだろうか?
 まずは「一緒に舞台に立つ他の役者を対象」にする。自分が適切な役を演じることができなければ、相手はうまく役を演じることができなくなる。そしてもう一つは「一般化された他者としての視聴者や観客を対象」にする。視聴者や観客が演技に満足できなければ、ドラマにしても映画にしてもそして演劇の舞台にしても作品自体が評価されない。これらはすべて何らかの形で商業的な興行である。視聴者や観客から評価されなければ収入がなくなる。
 さて俳優はこうした対象の反応を見て相互に役割のイメージをすりあわせる。

<俳優が他者に行っていること>

 俳優は身振り、話し方、態度、視線、話す内容などによって、他者に対して与える自分の「印象」を操作する。これを「印象操作」と呼ぶ。相手に対する印象を操作することで、「私はあなたの期待通りに行動しています!」ということを相手に伝えることになる。

<イメージのない役割の場合>

 俳優が知らない、あるいは経験したことがない、つまり自分にイメージがない役をする場合はどのようにして役を作るのだろうか? イメージのない役を作る場合、役割を社会化によって取得する。もっとも多いのは、役割に合致した行動をする人の行動を模倣するということである。たとえばアカデミー俳優であるダスティン・ホフマンは自閉症患者の行動を模倣した。
 あるいは「誰かとコミュニケーションする」ことによって期待された役割を取得する。これは俳優が役を作る手段であるだけでなく、普通の人が新しい役割を取得するときと同じである。

<特定の他者>

 社会化(模倣)あるいはコミュニケーションによって「特定の他者」(社会化では「社会化の担い手」)から役割を取得する場合、「特定の他者」のことを社会学では「重要な他者」と呼ぶ。
 我々は重要な他者とのやりとりを通して社会化するが、次第に重要な他者だけでなく一般化された他者の期待を推測できるようになる。

重要な他者→一般化された他者

<重要な他者>

 重要な他者の多くは身近で、実際に交流できる人間である。しかしそうした実際に接触できる人間だけでなく、テレビを通してみるタレントや本の中の登場人物が重要な他者になることもあり得る。特に家族とのコミュニケーションが少なく、テレビばかり見ている子どもの重要な他者にはトレントが多い。

<現実生活の中の演技>

 演技はドラマや映画、演劇の中だけの話ではない。日常生活における行動を多くを「演技」としてとらえることができる。これはDramaturgy(ドラマトゥルギー)と呼ばれる社会学理論である。dramaturgyでは劇場での演劇を日常生活のメタファーとして考える。
→舞台、舞台裏、演技者、共演者、観客など

 我々は「舞台」で観客や共演者に対して「印象操作」を行い、適切に演技を行う。演技の失敗は舞台を壊すことになる。
→社会秩序の崩壊
→人間関係の崩壊(変化)

 演劇では物語の舞台(場面)も実際に演じる舞台(劇場の場)も、演じる時間も決まっている。俳優のその時間、その場所でだけ物語の登場人物として演技する。それ以外は俳優ではあるが、物語の登場人物ではない。
 我々一般人の場合、「舞台裏」以外の「場」はすべて「舞台」である。つまり我々はほとんどの時間、演技を続けなければならない。

 さて問題は我々にとってどこが「舞台裏」か、ということである。これは個人によってとらえ方が異なる。自分が演技していない場が舞台裏になる。では実際に我々にとっての舞台裏はどこか?


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